第6章 マラムレシュ
私たちはマラムレシュの村へ行く前に、彼の実家に寄りました。
私は初めて彼のご家族に会いました。お母さんは、元気でよくしゃべる人。お父さんはちょっと厳しそうな印象。妹も弟も彼にそっくりでした。
歓迎のツイカをいただき、彼は久々の家族との時間を楽しんでいるようでした。
その後、彼のお父さんの運転で、ヴァドゥ イゼイという村まで送ってもらえる事になりました。
道の途中、オクナ シュガタク のプールに寄りました。ここは塩分がめちゃくちゃ高いプールで(海水より高いらしい)、沈めません!みんな泳いでいると言うよりは浮かんでいるってかんじ。
不思議な感覚で水遊びを楽しみ、プールサイドでミチ(肉団子)を食べ、ビールを飲み、とってもいい気持ち!
私は彼が食欲旺盛なことに驚きました。ブカレストでは全然食べない人だったのに。
「自然の中にいるといっぱい食べたくなる」そうです。
マラムレシュの名物の一つといえば、立派な門構えです。木製の大きな門が、どの家にもあります。今まで博物館や本で見てきた門や木の教会を、本物の村の中で実際に見ることができて、すごく感動しました。
1本の木から作る門。聖書に出てくる生命の木や太陽、月をモチーフにした木彫りです。鎖のようなものまでが木製の手彫り。
マラムレシュの人々の自然崇拝みたいなものが垣間見れました。
そして、私たちはヴァドゥイゼイに入りました。ここでは、彼が3年ほど前にお世話になったというプライヴェートルームに泊まることになりました。気の良いおばちゃんが出迎えてくれました。
小奇麗なお部屋は、ルーマニアの田舎風に飾り立てられ、おばちゃんの若いときの写真なんかも飾られていました。
荷物を置き、私たちはサプンツァへ行きました。ここは、ガイドブックにも載っている、おもしろいカラフルなお墓が有名な場所。
生前のその人の人生や性格や職業などが木彫りにされ、カラフルにペイントされています。
第二次世界大戦や、一次のものまでありました。
お墓なのに、なんだか元気になれる、そんな素敵なところでした。
私たちは、サプンツァのお墓の横のお店で、ビールを飲みました。
道端では、糸をつむいでいる女の子からおばあさん、その糸で織ったのか絨毯を売っている人もいました。村の生活という感じがし、とても落ち着きました。
そして私はこの日、彼のことをもっと好きになりました。彼は、ブカレストよりも、マラムレシュにいる時の方が、何倍も素敵でした。
プライヴェートルームに戻ると、おばちゃんが夕ご飯を作って待ってくれていました。
私たちは、裏庭に建てられたテラスのようなところで食事をしました。
ツイカという食前酒で始まり、ママリガとチーズ、ソーセージとポテト、そしてデザートにはゴゴシ。すっごく普通のメニューなのに、なぜだか、とってもおいしかった。
月がとってもきれいに輝いていました。
隣に座る彼を見て、私は心の中で言いました。「彼とここに来れて、幸せです。ありがとう。」